音楽を聴いて、テンションがすごく上がったり、悲しい時に悲しい音楽を聴いて慰められるように感じたことはありませんか?
それらはすべて、音楽が心理的な変化を与える一例にすぎません。
音楽が人の気分や思考に影響を与えることは、比較的最近の研究で明らかになったものです。
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音楽の影響力はいたるところで利用されている
実は、音楽が人に与える影響について、科学的な解明が完全になされている訳ではありません。
これには、人間の精神の解明自体がまだまだ進んでいないことや、音楽に関しては個人差が大きいことのなども関係しているからです。
それでもやはり冒頭のように、明るい音楽は人明るい気分にさせ、暗いあるいは悲しいメロディはそういった気分に浸らせる効果があります。
例えば、速いテンポの音楽は人を焦らせたり急がせたりします。速いテンポを聞いているだけでも、人の気分は変わってきます。
これは販売業やレストランでラッシュ時の回転率を上げるために利用されている方法の一つです。あるいは客数が少ない時間帯に、より滞在時間を延ばしてもらうために穏やかでリラックス出来る音楽をかけます。ゆっくりした音楽は、人をゆっくり行動させる効果があるからです。
研究結果は音楽の力を示す
実際に海外で行われた研究では、速いBGMと遅いものを流してショッピングモールの往復にかかる時間を観察したところ、10秒単位で明確にその差が開いたとする結果が報告されています。
他にも、ワインショップでフランス音楽とドイツ音楽を流して売り上げの変化を記録した研究もあります。ご想像の通り、フランス音楽を流した日はフランスワインが売れ、ドイツ音楽を流した日はドイツワインの売り上げが上がったとのことです。
心理的な影響力
これらのケースで言えば、ショッピングモールを歩いたりワインを買いに来た人たちは、もちろん音楽に誘導されているなどとは意識しておらず、自分の意思で行動しているように感じています。
しかし実際は、音楽の持つ力に影響を受けて行動しているのです。当然人を洗脳したり拘束するために音楽が用いられるべきではありませんが、影響力という点で考えると音楽の持つ力は十分には知られていないと言えます。
これらの影響を鑑みて、販売業ではBGMの選別にも非常に力を入れています。これは心理面からのみならずマーケティングや空間デザインとも関連しています。
まとめ
音楽が心理に及ぼす影響は、現代科学でも十分には解明されていません。もしかすると、言葉で説明できないとしても、私たちは本能的に音楽の力を知っているのかもしれません。