音楽の歴史は非常に古いものがあり、人間の歴史と同じほど長いと考えられています。
人はその誕生の時から音楽を生み出し、好んできたようですが、とても紹介しきれない音楽史の一部を少し見てみましょう。
目次
音楽の発祥とは
音楽は自然界の音を真似るところから始まったと言われています。
これには諸説ありますが、鳥のさえずりや肉食獣の遠吠えを真似たり、大きな声を出してそれに高低が付いていたり、道具で作業する音やリズムがもとになったりと、何かの動作から音で表現する音楽へ続いていったと推察されています。
それでも古代メソポタミアやエジプトからは楽器が出土しており、文明が文化を生み出したころには、音楽も既に存在していたことが分かっています。世界最古の楽器は笛のようです。
フルートやその他縦笛のような楽器が、今のところ最古のものとして確認されています。その後にはハープや太鼓など、弦楽器・打楽器も登場してきます。
当時は歌やリズムはそれほど確立されておらず、詩を詠う際に音を付けたり、あるいは王宮で仕える楽器に熟達した使用人が、歌無しに楽器を奏でていたと想像されます。
讃美歌に伴う音楽の発展
その後は、キリスト教の発展に伴って音楽は広まりました。政府よりも協会が強い権限を持っていた5~6世紀以降の時代に、聖歌というスタイルで音楽は普及していきます。
この頃には楽譜も進歩し、現代的な横線の上に高低を示す記号が記されていたと言われています。音楽は、文化の一部として政治的な勢力の拡大と共に世界へ普及する面があり、当時はキリスト教会の権力や讃美歌の普及が音楽の拡大に大きな役割を示したことが分かります。
その後、讃美歌の普及は単音ではなく、和音の発明にもつながります。
クラシック音楽とそれ以後
それ以降は楽器の発展もあり、今の私たちがクラシックと呼ぶ音楽が開発されていきます。
バッハやビバルディといったバロック派と呼ばれる音楽から、やがて古典主義派と呼ばれるモーツァルトやベートーベンといった世代へと移り変わっていきます。
この頃は、近代に評価されるほど音楽が高い地位にあったわけではなく、あくまで使用人や奉公人の仕事の一つでした。
加えて政治の変動にも大きく影響させ、音楽家と呼ばれる人たちは、概して過酷な人生を送っています。現在耳にするポップやロックといった音楽は、ここ70~80年ほどで急速に発展してきたにすぎません。
まとめ
音楽の歴史は人の歴史であり、数千年にわたる表現力の試行錯誤です。長い歴史と音楽のもつ力に思いを馳せるのも興味深い体験となるでしょう。