音の性質と雑音や反響

音の性質と雑音や反響

音は物質のひとつです。私たちの心を感動させる音楽も台風の時に唸る風音も、物理的には同じ空気の振動に他なりません。

こうして音を科学的に研究することは、より良い楽器やスピーカーの開発に不可欠です。

音の性質や反響の仕組みについて少しだけ見てみましょう。

目次

「音」を物理的に考える

音には単位があり、それは周波数で表されます。定義としては、音の波が空気中で一秒間に振動する回数を表したものであり、周波数が高いと高く聞こえ、低いと低い音として認知されます。

余談ですが、この点で人間の耳は非常に優れています。人の耳が聞き取れるのは20~10000Hzで、この数値自体は、地球上に存在する生き物の中で格段に優れている訳ではありません。

しかし、これ以上人が音を聞き分けられるようになったとしても、聞こえてくるのは空気中のホコリや粒子がこすれる音だけだろうと言われているほどです。

雑音とそれに対する取り組み

音の正体は前述の通り、ごくシンプルなものですが、私たちは必要な音とそれ以外の雑音を毎秒聞き分けています雑音とは、聞く対象となるもの以外の音のことで、極端に言えば聴きたくない音楽も雑音に含まれるでしょう。

それ以外にも、車で走行中に聞こえてくる風切り音やタイヤが地面を転がる走行音、家や建築物で響く住人の音も雑音であり、ありとあらゆるものがそれに含まれます。

快適な製品を作るべく、雑音の反響や除去について研究しているメーカーや研究所は世界の至るところにあります。それらはノイズ・キャンセリングと呼ばれ、様々な手段を使って雑音が人の耳に届かないように工夫されています。

例えば、イヤフォンやヘッドフォンなどの世界では、遮音性が製品の性能の一つとして重要視されます。外の音が聞こえず音楽だけを耳に届ける性能が磨かれているのです。

これに対し、一部の乗用車や排気ダクトなどの工業製品では、雑音と人が認識する音と逆位相の音を出すことで、あたかも静かであるかのように感じさせる技術が搭載されています。

雑音の振動と逆の周期で振動する音を出すことで、耳栓をしているかのように感じるはずです。

反響は音を聞く基本的な要素

音の反響も重要な要素です。音が出す空気中の振動は壁などで反射し、消えずに響いていきます。これが反響で、良い音を聞くにはある程度必要な要素です。エコーややまびこも反響の現象の一つです。

まとめ

音の性質を理解し最適な状況を作り出すのは、楽器や音響機器を作る人にとって永遠のテーマです。基本的なことを理解するだけでも、音楽の聴き方・流し方が変わってくるかもしれません。